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ポートフォリオ、売買頻度でリスク管理

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ポートフォリオ、資産三分法とは

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  • 売買が激しいと、結局損になる理由

更新日:2017/09/13

リスクとは、予期せぬ大きな損失やダメージのことだ。

 

あまり大きなリスクに直面すると、命も危うくなる。

 

また、たとえ小さなリスクでも、連続すると結局どこかで潰れてしまう。

 

そのため、リスクをいかに避けるか、リスクを少なくするかは重要なことだ。

 

ではどうすれば、大きなリスクを避けることができるのか。

 

リスク管理の考え方にも、いろいろある。

 

たとえば、資産をいくつかに分けておく。

 

株式投資であれば、一つの有望銘柄に全資金を投入するのではなく、2~3銘柄に分けて投資する。

 

資産管理であれば、黄金と不動産と株式という風に財産を三つに分けて持つ。

 

これは「資産三分法」と呼ばれるモノで、それぞれ性質の違う三種類に資産を分けることで、全滅を防ぐという話だ。

 

株式投資をしている人なら、一度は耳にしたことがあるだろうが、株式と金相場や債券は逆相関になりやすい。

 

ニューヨーク市場のダウ平均(ダウ工業株30種平均)が下がり始めると、金価格が上昇するということがよく起こるのだ。

 

また平均株価が下がると、債券が買われて、長期金利が低くなると言うことも良く起こる。

 

債券というのは簡単に言うと、国債や地方債、社債などと言った比較的堅い投資だ。

 

下落リスクのある株式を売って、こういう債券に資金が流れる。

 

その結果、債券価格が上昇して、債券利回りが悪くなり、長期金利が下がる。

 

長期金利は、10年物国債の利回りで代表されるのだが、金利が下がるというのは、国債を含む債券が全般的に買われていると言うことを示す。

 

そうして世界中の株式市場から数十兆円もの資金が、債券市場や金市場に移動する。

 

これを「グレート・ローテーション」と呼ぶ。

 

世界の投資家は、株価が下がり始めたら株を売って、替わりに黄金を買ったり債券を買って資産の目減りを避けているのだ。

 

こういう風に、複数の資産や投資先を組み合わせて管理することを、ポートフォリオと呼ぶ。


売買が激しいと、結局損になる理由

リスク管理でもう一つ問題になるのが、細かく動くことの是非だ。

 

株式投資でよく議論になるテーマの一つに、「売買頻度は、多い方が良いか、少ない方が良いか」というのがある。

 

これは短期投資が良いか、中長期投資が良いか、という話の変形・バリエーションだ。

 

デイトレや数日間のトレードを積み重ねる方法が良いか、数週間以上のトレードで、大きな利幅を狙う方が良いか。

 

このどちらの方が儲かりやすく、どちらの方がリスクが少ないのか。

 

これはもちろんトレーダーの腕次第であり、トレーダーの置かれた環境や性格次第である。

 

たとえば中長期投資では「うねり取り」という投資方法がある。

 

うねり取りは江戸時代からある手口の一つだが、株価の変動によって、買いと売り(カラ売り)の比率を変えていく。

 

下落トレンド中には売りの株数を増やし、上昇トレンドになったら、今度は買いの株数を増やしていく。

 

長期投資では、トレンドの転換点を捉えることが重要だが、うねり取りでは転換点を捉えやすいと言うのが利点だ。

 

ただ、うねり取りというのは、半年以上の長期投資になることが多く、一週間ごとや一ヶ月ごとに成績を求められる場合は、上手く行かないことが多い。

 

株価の動きが、一定の範囲内で動いている場合(ボックス相場)では、天井で買って底で売ることになり、損ばかりすることになる。

 

ではデイトレや一週間未満のスイングトレードならどうか。

 

大抵の銘柄は、一週間程度では大きく値上がりしないので、余り大きな利幅が望めず儲けも少ない。

 

しかし下落リスクも小さく、早めに損切りすることもできる。

 

急騰銘柄を掴んで二三日で売り抜けることができれば、大きく儲けることも可能だ。

 

しかし逆に急騰銘柄に遅れて買いで入ると、15%くらいの大幅下落に巻き込まれることもよくある。

 

デイトレや数日間の超短期トレードは、腕と判断力が物を言うため、結局損しやすい。

 

デイトレや短期投資は、利小損大になりやすく、4日かかって稼いだプラスを、たった1日で投げ出すようなこともよくある。


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