アンカリング効果とは

何らかの予想を立てるときに、直前に示された数値に大きな影響を受ける事が多い。

 

これをアンカリング効果と言う。

 

たとえば複数の人間を集めて4つのグループに分ける。

 

そして見知らぬ商品を見せて、値段をあてたり、妥当な値段を考えるとする。

 

その商品の使い方や利点などの説明をしっかりしたあと、グループごとに次のように尋ねる。

  • (A)この商品は5,000円の価値があるかどうか
  • (B)この商品は1万円の価値があるかどうか
  • (C)この商品は10万円の価値があるかどうか
  • (D)この商品は100万円の価値があるかどうか

と言う風に。

 

こういう風に4つの違った金額を提示して値決めしてもらうと、出された金額の平均値や中央値は、グループDが一番高く、グループAが一番低くなる。

 

もっと言えば、大抵の場合、D>C>B>Aと言う風に、妥当な値段が決められる。

 

これは、質問で提示された金額を念頭に置いて値決めをしたのだと考えられ、人間のモノの考えが、直前に示された数値に大きく影響を受けることを示している。

 

そして、値段の相場がわからない商品に関して我々は、かなり恣意的・いい加減に価値判断を行うと言うことを示している。

 

骨董品などで、ガラクタやニセモノを何十万円も出して買う人がいたりするのは、骨董品は効果だというアンカリング効果があるからかも知れない。

 

骨董品は高いものだという頭があるため、それっぽい箱に入れられていたら、つい最近作られたものですら、高価な物に見えてくるんだろうね。



アンカリング効果

アンカリング効果が示すのは、モノの価値を推し測ったり、値段を付けたりするとき、我々は何らかの参考情報を必要とするということだ。

 

値決めに必要な情報や相場を持っていない場合、与えられた情報を簡単に信じたり、与えられた情報を基準(アンカー)にしてモノを考えてしまうのだ。

 

アンカリング効果で、必ずと言って引き合いに出せされるのが、「マクドナルド・コーヒー事件」と呼ばれる事件と裁判だ。

 

1992年、アメリカ・ニューメキシコ州・アルバカーキのマクドナルド店のドライブスルーで、この事件は起こった。

 

ステラ・リーベックという当時79歳のおばあさんが、孫と一緒にドライブスルーを利用し、駐車場でコーヒーに砂糖を入れようとして、大やけどを負ったのだ。

 

おばあさんはコーヒーの紙コップを両太ももの間に置き、砂糖を入れようと紙コップの蓋を開けたところ、コーヒーが飛び散って、太ももの内側に大量にかかってしまった。

 

こういうケースは、まあよくあることだけれど、ステラ婆さんが大騒ぎするので、孫が慌てて病院におばあさんを運び込んだところ、酷い火傷を負っていた。

 

たかだかコーヒーをこぼしたくらいで、なぜそんな酷い火傷になったのか?

 

そう思って調べて見ると、マクドナルドのドライブスルーで出されていたコーヒーは、異常に熱かった

 

そこでステラおばあさんと孫は、これはマクドナルドにも責任があるのではないかと考え、マクドナルドに対して損害賠償請求の訴訟を起こしたのだ。

 

コーヒーをこぼしたこと自体の過失がお婆さんにあることは、原告側も認めているが、大やけどになった直接の原因は、マクドナルドの熱すぎるコーヒーなのだというわけだ。

 

そしてこの裁判に参加した陪審員は、ステラお婆さんの過失は20%で、80%の過失はマクドナルド側にあるという評決を下した。

 

これ自体は妥当であったが、問題は賠償金額の大きさだった。

 

その額、なんと3億円! このニュースは世界中に伝わって議論となった。


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