人間が、非合理的な判断する理由記事一覧

経済学では、売買する対象を大きく2つに分けて考える。それが「財とサービス」だ。財(ざい:商品)というのは、簡単に言うと、形があるモノで、在庫ができるモノだ。形があるモノをお金と交換する、これが財だ。たとえば食品は、スーパーや食料品店の店頭でお金と引き替えに受け取って食べることができる。スーパーや食料品店では、食品をたくさん在庫していて、その一部を並べている。並んでいる商品の中から、自分が欲しいモノ...

たいていの人は、モノやサービスを買う時に、何らかの自分自身で決めた基準を持っている。そして自分自身では「合理的な判断をして、それを買っている」と思っている。というのも、欲しいモノを、何でもかんでも買えるくらいのお金を持っている人は滅多にいない。限られたお金を何に使うか、何らかの基準がないと、使えるお金がなくなってしまうからだ。これを経済学では特に「予算制約」と呼んだりする。予算の制約があるために、...

何かを選ぶ場合、選択肢が多ければ多いほど、どれを選べば良いのか迷う。自分自身の満足(効用)を最大にするような組み合わせや選択肢を、何とかして選ぼうと考える。しかし選択肢が多ければ多いほど、効用最大化できる選び方は難しくなる。こういう場合、消去法で候補をドンドン減らして行くと言うことをしたりする。これはアレだからダメ、こっちはこうだからダメ、、というふうに、たくさんある選択肢を減らしていくわけだ。選...

飲食の専門店では、たいてい3つのランクのメニューを用意していることが多い。寿司屋や鰻屋などのメニューがそれに当たる。近年のカウンター寿司屋では少なくなったが、昔ながらの座敷で食べさせるような寿司屋では、「一人前」と呼ばれるセットで注文することが多い。そして寿司でも、うな重でも、「特上(とくじょう)・上(じょう)・並(なみ)」とか「松・竹・梅」という風に、3つのランクでメニューを表現していることが多...

松・竹・梅というメニューがあった場合、たいてい中間の竹メニューが一番よく売れる。特上(とくじょう)・上(じょう)・並(なみ)では、上メニューが一番出るという。これには色んな仮説があるようだが、松や特上などの高額メニューがなかった場合、売れ行きはだいたい半分半分になるらしい。たとえば「上」と「並」の二種類しかない場合、「上」の方が圧倒的に売れると言うことは起こらないんだという。二種類のメニューがあっ...

何らかの予想を立てるときに、直前に示された数値に大きな影響を受ける事が多い。これをアンカリング効果と言う。たとえば複数の人間を集めて4つのグループに分ける。そして見知らぬ商品を見せて、値段をあてたり、妥当な値段を考えるとする。その商品の使い方や利点などの説明をしっかりしたあと、グループごとに次のように尋ねる。(A)この商品は5,000円の価値があるかどうか(B)この商品は1万円の価値があるかどうか...

アンカリンク効果で、よく引き合いに出されるのが、マクドナルド・コーヒー事件の賠償金だ。1992年にアメリカの79歳のステラお婆さんが、マクドナルドのドライブスルーで買ったコーヒーを、両膝の間に挟んで、キャップを開けた。そうすると中のコーヒーが太ももに飛び散って、それが原因で大火傷を負った。直接の過失は、ステラ婆さんにあることは確かだが、しかしコーヒーをこぼしたくらいで、そんな大火傷になるはずがない...

保有効果とは、自分が持っているモノの価値を高く見積もって、手放せないという現象だ。新しく同じモノを高い値段では買いたくないが、自分が手放すときは、もっと高い値段でないと手放せないと考える。これは株式投資では、よくある現象だね。自分が持っている株は、値上がりすればするほど、売りたくなくなる。プロのトレーダーなどは、3割上がったら何割か売るとか、5割上がったら半数売るとか、そういう風にシステマチックに...

コンコルド効果とは、見込みのない事業や投資を続けてしまうと言う現象だ。コンコルドとは、20世紀に開発された超音速旅客機の名前で、イギリスとフランスの企業が共同開発した。コンコルドは、音速を超えてマッハ2.0で飛ぶジェット旅客機で、長距離を短時間でひとっ飛びできるという触れ込みだった。ところが開発が終わり、実際に営業飛行が始まると、様々な障害があることが分かった。まずマッハ2で飛行するため、非常に細...

ヒューリスティクス(heuristics)とは、厳密な議論や面倒な計算をせずに、近似的に妥当な答えを出そうとすることだ。ヒューリスティクスは計算機科学(コンピュータ科学)で使われる用語だ。計算機で何か計算を行う際に、厳密に計算しようとすると、膨大な時間ともの凄いマシンパワーが必要な計算になる場合がある。たとえば気象予測をコンピュータで計算するのは、かつては不可能だった。台風の進路を計算するのでさえ...

ヒューリスティクスは、複雑で時間がかかる計算や厳密で面倒な検証をすっ飛ばして、大雑把な答えを近似的に出そうという考え方だ。コンピュータがどれだけ発達しても、複雑な計算にはもの凄い時間がかかるので、それをショートカットする方法を見つけようというのがヒューリスティクスの考え方だ。ヒューリスティクスという用語は、心理学や行動経済学でも使われるが、こちらは「人間が失敗する原因」として理解されているようだ。...

後知恵(あとぢえ)とは、偶然に起こった出来事を、必然だったと考えることだ。偶然に起こったことは、偶然に過ぎないのに、それを必然と考えること自体、かなり矛盾している。しかし人間はそういう風に考えて、自分を納得させようとするモノらしい。あるいは、偶然を必然だと見なして、これからのことも予測できると考えているのかも知れない。しかしこれは、そのあとの失敗につながりやすい。たとえば、株やギャンブルで3回目に...

損失回避性とは、たいてい人間が、利益よりも損失を怖れるという傾向のことだ。人間というのは不思議なモノで、損失がとても嫌いらしい。大した損でもないのに、損したことと言うのが許せない。なので損していたら、損が多かろうが少なかろうが同じだと考えるらしい。たとえば、ここに2種類の選択肢があるとする。【選択肢1】(A)クジを引かずに、1万円の賞金を受け取る(B)クジを引いて、2分の1の当たりを引いたら3万円...

後悔回避性とは、後悔を嫌い、「後悔しそうなことを避ける」ということだ。たいていの人間は、後悔したくない。そのため、後々後悔しないような行動を採ろうとする。簡単に言うと失敗しそうなことには手を出さない成功しそうなことだけやる…というのが、後悔回避性だと言うことらしい。成功確率が高そうなことだけやるのであれば、結構満足できるような気もするけれど、どうもそういうわけでもないらしい。というのも成功と失敗は...

確実性効果(certainly effect)とは、確実な事に異常に敏感になるという現象だ。たいていの人が、確率100%や、確率0%に近付くにつれ、その他の確率とは違った反応を見せる。たとえば、2種類のクジがあるとする。20%の確率で、2万円もらえるクジ40%の確率で、1万円もらえるクジの二つからクジを選ぶとすると、どちらにしようか迷う人が多い。数学的な期待値計算では、どちらも4,000円が期待で...

選好の逆転とは、イベントの直前になると、我慢できなくなって、目先の利益に飛びついてしまう現象だ。たとえば、一ヶ月後、映画のチケットを1枚もらえるが、もう一ヶ月後なら、チケットを2枚もらえるとする。こういう選択肢があった場合、2ヶ月待って2枚のチケットをもらう方を選択する人が多い。一ヶ月先も、二ヶ月先も、どっちでも似たようなモノだから、より利益が大きなチケット2枚の方に心が引かれるということらしい。...

かつて経済学では、「期待効用理論」という理屈で、人が経済活動を行うと考えられていた。期待効用理論というのは簡単に言うと、高校の数学で学んだ「期待値」のようなものだ。期待値の計算は、【賞金】×【確率】で計算される。たとえば、賞金が1万円で、当たる確率が0.01(1%)のクジであれば、1万円×0.01=100円が、このクジが期待値となる。この期待値が100円のクジの値段が100円以下なら、買ってもよい...

20世紀の経済学では、経済活動をする人間を「ホモ・エコノミクス(経済人)」として扱っていた。ホモ・エコノミクスというのは、経済活動に関しては、理性的で利己的な経済合理性に従って行動するタイプの人間のことだ。自分の利益を優先し、他人のことや社会のことは考えずに利益を取る、そういう感じがホモエコノミクスだ。人間が本当にホモ・エコノミクス的な経済合理性で判断を下し、行動しているわけではないが、理論を構築...