リスクとは、失敗したときに被る損失やダメージ
更新日:2017/09/13
リスクとは、失敗したときに被る損失やダメージのことだ。
失敗しても、何の損もダメージもないなら、リスクはゼロだし、失敗に対してあらかじめ対策しておれば、それはリスクではない。
想定していないことが起こって損失やダメージを負うのがリスクで、想定してあって対策もされておれば、根本的なリスクではない。
そして損失やダメージを考えるのがリスク管理だ。
ただし何をリスクと捉えるかは、人によって異なる。
たとえばお金持ちの人にとって、10万円を失うのはリスクではない。
それくらいの損失は、お金持ちの人の経済状況を左右しないし、他の稼ぎで埋め合わせれば良いと考えているはずだ。
一方、毎月の支払いにも困っている人に取っては、10万円を失うのはデカいリスクだ。
お金持ちと、そうでない人とで、10万円の損失に対する見方が違うのは、これが「相対的リスク」だからだ。
年収1,000万以上ある人にとって、10万円の損失は1%未満にしか過ぎないが、年収100万円の人に取っては、10%にもなる。
持っている資産と10万円を比べたとき、パーセンテージが大きいか小さいかで、リスクの感じ方が大きく違うのだ。
もちろん年収100万円でも、10万円くらいなら、すぐに稼げると考えているのであれば、お金がない人でも大きなダメージにはならないだろう。
もちろん、資産や収入に関係ないリスクもたくさんある。
たとえば病気やケガと言ったものだ。
相対的リスクと、絶対的リスク
大金持ちにとって、10万円を失うのはリスクでも何でも無い。
一方、収入があまりないものにとって、10万円を失うのは大きな損失で、そういう事態を招いたことは大きなリスクだ。
こういう金銭的リスクというのは、持っている資産や収入によって、リスクの大きさが変わる。
というのもこれは相対的リスクであり、絶対的なリスクではないからだ。
一方、健康や命に関わることは、大金持ちでも貧乏人でも変わらない。
大金持ちは、大豪邸に住んだり、何人ものガードマンを雇っていたりするが、これは命がお金に換えられないものだからだろう。
命や健康などに関するリスクは、「絶対的リスク」といえる。
暴力だとか、誘拐だとか、戦争だとか、テロだとか、伝染病だとか、地震だとか。
こういった物理的なモノは、金持ちだからと言って避けることができない場合も多い。
金持ちだからこそ、狙われたり、恨まれたり、危険になるリスクもあるのだ。
こういう風に、人によって何がリスクなのかは、かなり違う。
そのため、リスクの捉え方は、人それぞれになる。
リスクと感じることが人それぞれなのだから、それに備える行動も人それぞれになる。
ホモ・エコノミクス(経済人)という仮定の下では、こうい人それぞれの事情も、区別せずに考えてきたが、行動経済学では、様々なパターンでリスクを認識する。