ゼロサムゲームとは
更新日:2017/09/18
ゼロサムゲーム(zero‐sum game)(ゼロ和ゲーム)とは、誰かがプラスを得ると、他の誰かが同じだけマイナスを被るタイプのゲームだ。
たとえば大抵の球技は、最終的に勝敗を決めるので、ゼロサムゲームだ。
また競馬や競輪などの公営ギャンブル、宝くじ、パチンコ屋パチスロと言った遊技も、ファンが投じたお金を分配するだけなので、ゼロサムゲームになる。
ファンが投じたお金は、ゲームの主催者(胴元)がゲーム開催の諸費用を差し引いた後、ゲームの勝者に分配される。
なのでプレイヤーだけで考えると、公営ギャンブルや宝くじ、パチンコなどは、ゼロサムゲームと言うより「マイナスサム・ゲーム」になる。
一方、株式投資の現物株は、ゼロサムゲームではない。
株式投資の場合は、長期トレンドによって、時価総額が増えたり減ったりする。
上昇トレンド中には時価総額が膨張していくため、現物株を持っている人の殆どが含み益状態になり、プラスサム・ゲームになる。
逆に株価が下落トレンド中は、時価総額が収縮していくため、現物株を持っている人の多くが含み損になり、マイナスサム・ゲームになる。
株式投資でゼロサムゲームになっているのは、先物取引と呼ばれるヤツで、ショート(カラ売り)とロング(カラ買い)がほぼ同じ枚数で均衡する。
とは言っても、完全にプラスマイナスがゼロになるというわけでもないが。
ミニ・マックス戦略とは?
ゼロサムゲームで勝利するためには、どういう戦略が良いだろう。
ゲーム理論では、「ミニ・マックス戦略」が有効だとしている。
ミニマックス戦略とは、とにかく損害(max)を小さくする(mini)選択肢を選ぶという戦略だ。
ゼロサムゲームでは、自分の失点が相手の得点になる。
なのでとにかくまず失点を最小限に抑えることで、相手のリードを最小限に保っておいて、チャンスで追いつき逆転することを目指すべきだというのだ。
たとえば「(A)月刊マイナー」と「(B)マンスリー・マイナー」というマイナースポーツの月刊誌があったと仮定する。
内容はほぼ同じようなモノで、特集記事だけが異なるような形になっている。
マイナースポーツだけあって、ファンの絶対数が少ないため、ファンはどちらかの雑誌を一冊だけ購入すれば、最近の情報は全て手に入る。
こういう場合、シェア争いになるので、ゼロサムゲームになる。
そこで売り上げを伸ばすため、「価格を下げる」という戦略を考える。
内容が似たようなモノであれば、安い方がたくさん売れるのは間違いない。
「価格訴求力」といって、値下げは非常に強いシグナルになるからね。
ということで、利得表を作ってみる。
片方の雑誌だけが値下げした場合、シェアが7割になるという設定だ。
値下げ戦略の利得表
シェア | B誌が価格を維持する | B誌が価格を下げる |
---|---|---|
A誌(自社)が価格を維持する | (A:0.5, B:0.5) | (0.3, 0.7) |
A誌が価格を下げる | (0.7, 0.3) | (0.5, 0.5) |
この設定で、月刊マイナー(自社)は、値下げをすべきかどうか。
さらに「付録を付ける」という戦略も加えればどうか?