経済は感情で動く　行動経済学ってなに？

安定結婚問題とは、N人の男性とK人の女性を婚約（マッチング）させる問題だ。

 

やり方は簡単で、男性はK人の女性を結婚したい順番に並べたメモを作る。

 

女性もN人の男性を見て、結婚したい順番に並べたメモを作る。

 

これを「選好順序」と呼ぶ。

 

ただし、結婚したくない相手は順序に入れず、結婚しても良い相手の一番最後に「自分自身」と書き込む。

 

これは、結婚したときに少しでも利得を得るための規定で、「個人合理性」を確保するためだ。

 

安定結婚問題の一例

男性陣が（１、２、３、４）、女性陣が（A、B、C、D）というグループのマッチングを考える。

 

プレイヤーの選好順序はこんな感じだったとする。

 

結婚ゲーム　選好順序の例

 

この選好順序表を使って、マッチングを行っていく。

 

マッチングの手順は、次のように行う。

 

結婚ゲーム　マッチングの手順

まず最初は全員「独身」というポジションで、相手が見つかったら「婚約」する。
男性側からプロポーズする場合と、女性側からプロポーズする場合がある。

選好順序の例で、男性からプロポーズすることを考える。

 

まず男性１は、最上位に女性Bを挙げているので、女性Bに向かってプロポーズを行う。

 

女性Bはこの時点で独身であるため、プロポーズを受けて「婚約」する。

 

ここで一組、婚約カップルが誕生。

 

 

次に男性2のマッチングを始める。

 

男性２が最上位に挙げている女性Ｂにプロポーズを行う。

 

女性Ｂは既に男性１と婚約中なので、男性1と男性２の選好順序を比べる。

 

女性Bの選好順位では、男性1の方が上位にいるので、男性２のプロポーズを断る。

 

プロポーズを断られた男性２は、次に女性Aにプロポーズを行う。

 

女性Aは独身だし、男性２はリストに入れて居るので、プロポーズを受けて婚約する。

 

 

次に男性３は、女性Aにプロポーズを行うが、女性Aは婚約中であるため、自身の順位表から現在の婚約相手の男性２と男性３を比較し、このプロポーズを断る。

 

男性3は次に女性Bにプロポーズするが、やはり同じ理由で断られる。

 

男性3はさらに女性Cにプロポーズするが、リストに載っていないので断られる。

 

男性3は最後に女性Dにプロポーズし、女性Dと婚約する。

 

 

男性4は、女性Dにプロポーズを行う。

 

女性Dは男性3と婚約中だが、男性4の方が好みなので、婚約破棄して、男性4と婚約し直す。

 

 

婚約解消された男性３は、既に女性全員にプロポーズしているため、ここで終了。

 

 

この組み合わせは、男性側から見た最良のマッチングなので、「男性最良安定マッチング」と呼ぶ。

 

女性からプロポーズする場合

一方、女性からプロポーズした場合は、どうなるか。

 

やってみると、女性Cはいったん男性4と婚約するが、女性Dが男性4にプロポーズするため、婚約を破棄されてしまう。

 

 

この例では、結果的には、男性がプロポーズしたときと同じ組み合わせになるが、常に同じ組み合わせになるわけではない。

 

女性から選んだ場合は「女性最良安定マッチング」という。