お金の使い方 予算制約と効用最大化
更新日:2017/09/07
たいていの人は、モノやサービスを買う時に、何らかの自分自身で決めた基準を持っている。
そして自分自身では「合理的な判断をして、それを買っている」と思っている。
というのも、欲しいモノを、何でもかんでも買えるくらいのお金を持っている人は滅多にいない。
限られたお金を何に使うか、何らかの基準がないと、使えるお金がなくなってしまうからだ。
これを経済学では特に「予算制約」と呼んだりする。
予算の制約があるために、たいていの人はお金の使い道に関して考える。
たとえば休日に家族や友達などと繁華街に出かける場合を考えると、色んな選択肢があるし、たくさんの出費の機会があるだろう。
そして、どういうふうにお金を使えば、「満足」を最大化させることができるか、考えるだろう。
映画館でアクション映画やアイドルのライブビューイングを見て、飲食店でなにか食べて、ボーリング場やゲームセンターで遊んで、ファッションスポットで何か服を買って、、等々。
選択肢はもう本当に無数にあるけれど、使えるお金の上限は決まっているから、その中で取捨選択して、満足度を最大化しようとするわけだ。
これを経済学では「効用最大化」などと言ったりする。
この「効用(こうよう)」というのは、お金を使って得られる満足度のことだが、常に一定だとは限らない。
たとえば中華料理屋に行って、ビールと餃子を頼むことを考える。
このとき、最初に飲むビールは、非常に美味く感じるが、2杯目・3杯目となると、最初ほど美味く感じなかったりする。
餃子が好きな人も、最初の一皿は美味いが、二皿目はさほどでもなかったりする。
となると、ビールを2杯3杯飲むのが良いのか、餃子を二皿三皿食べるのが良いのか、それともビールを一杯だけ飲んで、餃子を一皿だけ食べて、別のモノを頼めば良いのか。
様々な組み合わせの中から、自分の満足度(効用)が最大になりそうな組み合わせを選ぶことになる。
これがつまり「効用最大化」ってことだね。
選択肢が多いと、決められなくなる
大抵の人間は、予算制約があるため、どうやれば自分の満足度を最大にできるか、様々な組み合わせを考えてお金を使う。
このとき、選択肢が多ければ多いほど、人は迷い、判断が難しくなる。
たとえば、よほど思い入れがあって、いつかは絶対に欲しいと思うモノが、たった一つだけだったとしたら、話は簡単だ。
あの車が欲しい、あのバイクが欲しい、あのバッグが欲しい、あの靴が欲しい。
自分の欲しいモノがハッキリしている人は、それを買うためにムダな出費は抑える。
本当に欲しいと思っている商品であれば、それを手に入れるために、他の出費は削れるだけ削ることができる。
ところが、そういうハッキリした欲しいモノがない場合、あるいは既に手に入れてしまって、新しく欲しいモノが見つからなくなった場合、お金の使い方に基準がない状態になる。
ビールと餃子の組み合わせなら、何度か繰り返しているウチに、効用最大化できる組み合わせが見つかるだろう。
しかし初めて買うものであったり、滅多に買わないものであれば、そういうわけにもいかない。
欲しいモノが目の前にあっても、他にまた魅力的なモノが新しく登場したら、どちらにしたら良いか新たに考えねばならない。
好きな人がいて、既に付き合っているけれど、新しく魅力的な人と知り合ってしまうと、どっちを取れば良いんだ?とずっと悩むようなもんだね。