経済学の基礎知識 財とサービス
更新日:2017/09/06
経済学では、売買する対象を大きく2つに分けて考える。
それが「財とサービス」だ。
財(ざい:商品)というのは、簡単に言うと、形があるモノで、在庫ができるモノだ。
形があるモノをお金と交換する、これが財だ。
たとえば食品は、スーパーや食料品店の店頭でお金と引き替えに受け取って食べることができる。
スーパーや食料品店では、食品をたくさん在庫していて、その一部を並べている。
並んでいる商品の中から、自分が欲しいモノを選んで、対価を払う。
財は大きく分けると
- コモディティ
- 商品
と言う風に分けられる。
米や小麦、パンや牛乳と言った商品は、大量生産され、大量消費されている財で、比較的安い値段で売られている。
こういうありふれていて、加工度が低い財が「コモディティ」と呼ばれる。
また機械だとか宝飾品など、たくさんの部品からできていたり、希少性のある財は「商品」と呼ばれたりする。
これらは、ありふれた材料を加工したり、様々な知識を用いて組み合わせたりしているため、価格は高くなる。
一方、サービスというのは、形がなく、在庫ができないモノだ。
たとえば散髪は、何かを受けとるわけではない。
お金を払って、髪を減らしたり、髪型を整えてもらう。
散髪屋に行っても、払ったお金分の商品を持って帰るわけではない。
お金を払って、髪の毛とフケとアカを置いて帰る。
サービスは「経験経済学」によると、3つに分けることができるという。
それが
- デリバリー(配達、代行)
- エクスペリエンス(娯楽、経験)
- トランスフォーメーション(変身、教育)
だ。
詳しくはまた機会があれば説明することにする。
1,000円安く買えるのなら、遠出する?
商品やサービスを買うとき、お金を払う。
ところが我々は、お金を払うかどうかを、非常に曖昧な基準で決めている。
基準があればまだマシだが、気分や雰囲気で、お金を出したり出さなかったりする。
たとえば欲しい商品を、最寄りのお店では一万円で売っているが、少し足を伸ばして遠出すれば、1,000円割引の9,000円で買えるとする。
こういう場合、最寄りの店に行って買うか、足を伸ばして1,000円安く買うかは、モノによっても人によっても全然違うだろう。
また、1,000円ではなく2,000円安く買えるのであれば、また結果は違うだろう。
さらに、1万円が9,000円になるのと、10万円が9万9,000円になるのでは、割り引かれる金額はどちらも同じ1,000円でも、感じ方はかなり違うだろう。
1万円のモノを9,000円で買えるなら、足を伸ばそうと思う人でも、10万円のモノを千円割引で買うために、わざわざ遠出しようと思う人は少ないかも知れない。
「手間がかかっても、モノを安く買いたい」という行動一つ取ってみても、得する金額や、得する割合、遠出する距離や時間など、様々な要素で行動は変わってくる。
こういう違いを考え、人間がどういう考えでモノを買ったり選んだりするのかをテーマにするのが、「行動経済学」だ。