提携ゲームの最適解はどうやって求める?
更新日:2017/09/21
提携ゲームは、協力ゲームの一種だ。
提携ゲームは、誰と誰が提携するか、それを決めるゲームであり、最適解を求めるには、様々な条件がある。
まず最適解は、少なくとも次のような要件を満たさなければならない。
全体合理性
メンバー全員がそれぞれ独自で利益を求めたときの合計利得より、提携したときの合計提携値の方が大きくなる時、これを「全体合理性」と呼ぶ。
ただこれだけでは、もしかしたら利益が増えないメンバーがいるかも知れない。
なので最適解は、次の条件も満たさないといけない。
個人合理性
ゲームに参加する個々のメンバーが、単独で得られる利得よりも、提携によって少しでもプラスの利得を得られることを、特に「個人合理性」と呼ぶ。
利益があるからこそ、全員がこのゲームで提携を模索する動機を持つことになる。
提携しても利益がないなら、提携する意味が無いし、全体の利得合計も増えない。
また全員に個人合理性がある場合、必然的に全体合理性は達成される。
全体合理性と個人合理性の両方の条件を満たす提携の組み合わせと、特に「配分」と呼ぶ。
配分の方法は一つとは限らないため、配分同士で検討して、全体の利得を最大化できると、それがパレトー最適(パレート最適、パレトー効率性)になるイメージだ。
提携合理性コアとは
提携ゲームの最適解は、全体合理性と個人合理性の両方を満たす組み合わせになる。
こういう最適解の組み合わせを「配分」と呼ぶ。
ただし配分は一つとは限らない。
配分が複数あった場合、全体利得が最大のモノが最適解であり、これがパレトー最適・パレトー効率性となっている。
これを特に「提携合理性」と呼び、このときの配分を「コア(core)」と呼ぶ。
つまり、コアとは「パレトー最適かつ個人合理的な配分」のことを言う。
一方、全体の利益は最大化されても、個人の利得は大小いろいろある。
ゲーム参加者の提携のうち、特定のメンバーだけ大きな提携利益を受け取り、他のメンバーの提携利益は小さいと言うこともあり得る。
これでは、特定のメンバーの提携は良好だが、その他のメンバーの提携は不良で、もしかすると提携する意味が無いのかもしれない。
こうなると、提携で大した利益が増えないメンバーは、提携に反対したり、提携に参加しないかも知れない。
いわゆる「総論賛成・各論反対」のパターンだ。
となると、提携を結ぶには「利益の配分」も大きな問題となる。
提携することで増えた利益を、どうやって配分すべきなのか。
この利益配分の事前交渉も、提携ができるかどうかの重要なポイントだろう。