選択肢が少なくても、選べない理由
更新日:2017/09/08
松・竹・梅というメニューがあった場合、たいてい中間の竹メニューが一番よく売れる。
特上(とくじょう)・上(じょう)・並(なみ)では、上メニューが一番出るという。
これには色んな仮説があるようだが、松や特上などの高額メニューがなかった場合、売れ行きはだいたい半分半分になるらしい。
たとえば「上」と「並」の二種類しかない場合、「上」の方が圧倒的に売れると言うことは起こらないんだという。
二種類のメニューがあって、それぞれコストパフォーマンスが良ければ、高い方を選ぶか安い方を選ぶかは、そのときの気分や好みの問題と言うことらしい。
しかしそこに最上級のメニューを加えると、中位のメニューがより売れるようになり、下位のメニューがあまり売れなくなるのだという。
「上」と「並」だとあまり気づかなかったが、「特上」が加わってみると、「並」がみすぼらしく見えてしまい、「上」が輝いて見えてしまうらしい。
選択肢が2つから3つに増えれば、決めにくくなるはずなのに、これはちょっと不思議な現象だ。
では、同じくらいのレベルの商品が2種類あった時に、それより上位の商品を選択肢に加えると、どういうことが起こるだろう。
「特上」「上A」「上B」と言う風な品揃えだ。
この場合は、「上A」「上B」のどちらかで迷って、なかなか決められなくなるらしい。
「特上」メニューが存在すると、「上A」「上B」のどちらを選ぶかは、「どちらの上メニューが妥協できるか」と言う風に、条件が変わってしまうらしい。
あきらめる理由探し
モノを選ぶというのは、選ばないモノを決めると言うことでもある。
そして選択肢が多くなればなるほど、欠点があるモノを除外して、消去法的にモノを選ぼうとしてしまう。
「上」メニューが2つしかなかった場合は「どちらが良いかな?」と思って、プラス面に注目して選んでいた。
ところが、そこにもう一つ「特上」のメニューが加わると、変わってしまうらしい。
特上メニューと比べれば、AもBも見劣りするわけだから、「上A」と「上B」のマイナス面に目が行くようになるのだろう。
マイナス面に目が行けば、消去法的な選び方になり、そこで、どちらをあきらめれば良いかと言う風に、判断基準が変わってしまうらしい。
そしてあきらめる理由が見つからないと、選べなくなってしまう。
そして選べなくなってしまうと、どうするかというと、選択を先延ばしにするか、全部あきらめて、全く別なモノから選ぼうとするらしい。
モノを選ぶというのは、それだけ色々悩ましいモノなんだね。
さらに、全然別のイベントがあっても、そのイベントが終わるまで、選択を先延ばしにする場合もあるらしい。